シーライツ プロジェクト

カンボジア・チャイルドセーフ事業

事業名称 チャイルドセーフ事業
事業期間 2005年~2013年
事業対象地域 カンボジア
パートナー団体 フレンズ・インターナショナル Friends-International

フレンズ・インターナショナルについて

社会的に不利な立場や疎外され、弱い立場におかれた都市部の子どもや若者、彼らの家族に対して、教育や職業訓練、経済的自立を支援したり、子どもたちを性的虐待や出稼ぎ、麻薬、暴力など、あらゆる危険から守るプロジェクトを行っています。

また、ソーシャルビジネスとしてレストランやショップを経営し、若者の自立を促すとともに、活動資金を調達、活動の持続性を高めています。

国内外で理念や目標を共有するNGOとパートナーシップを結び、より多くの子ども・若者たちを支援できるようネットワークを構築しています。

フレンズ・インターナショナルのWEBサイト

カンボジアの子どもたちと旅行者

旅行者とストリートチルドレン

カンボジアには路上で働いたり、生活をしているストリートチルドレンが14,000人から24,000人いるといわれています。特に観光地であるプノンペン市内、シェムリアップ州、シアヌークビル州では、旅行者を目当てに路上で物売りや物乞いをしたり、路上で生活したりすることで、さまざまな危険にさらされる子どもたちがたくさんいます。(2010年時点)

旅行者と孤児院

カンボジアでは、旅行者による孤児院訪問が盛んなことから、近年、急速に孤児院の数が増加しています。中には、観光客を積極的に招き入れて寄付を募り、子どものためにお金を集めるのではなく、子どもを使ってお金を儲ける「孤児院ツアービジネス」が問題になっています。いっぽう、孤児院で暮らす子どもの中には、孤児ではない子どもも少なくありません。特に貧しい家庭の親は、孤児院が子どもたちに食料、住まい、教育を保障してくれると信じて、子どもを安易に孤児院に預けてしまうという問題も起きています。

残念なことに、ストリートチルドレンや、孤児院の子どもたちが、旅行者から虐待されたり、性的搾取されるケースが、数多く報告されています。

チャイルド・セーフ・ネットワーク

支援期間:2008年8月~2013年3月

<フレンズの取り組み>
フレンズは、子どもたちを性的搾取や児童労働などの様々な危険から守るために...

旅行者向けに7つのアドバイスと、ホットラインの番号を載せたリーフレットを配布
このリーフレットを通して、街で物乞いや物売りの子どもに現金を与えたり物品を購入したりすると、路上で子どもたちが働くのを助長させてしまうことや、孤児院ツアーに参加することで、子どもたちが搾取されたり、親が子どもを安易に手放すことを助長してしまうことを、海外からの旅行者に知ってもらうキャンペーンを実施しました。

ネットワーク・メンバーをトレーニング
旅行者と接する機会の多いホテル、レストラン、インターネットカフェ、タクシードライバー、旅行代理店などを対象にトレーニングを行い、「ネットワーク」を構築しました。

トレーニングでは、性的搾取の可能性がある客に対し乗車や宿泊の拒否をし、通報するように促します。また、子どもの権利について学習し、子どもたちが危険な状況にあるのを目撃した時に、どう対応するか、あるいは、子どもたちが直接、自分の身をどのように守るかについてフレンズの職員が説明します。

トレーニングが終わると、チャイルドセーフ・メンバーとして認証され、チャイルドセーフのロゴマークがついたステッカーやシャツが認定証として提供されます。逆に、メンバーが子どもを連れた外国人をホテルまで連れて行ったのを、目撃され通報された場合には、認定証は没収され、チャイルドセーフ・メンバーリストから削除されます。



メンバーは、「good clients good business(良い顧客 良いビジネス)」(=多くの良心的なお客さんがタクシーやホテルなどのサービスを利用するようになったら、かえって売上げは上がる)というキャッチフレーズのもと、ボランティアで、子どもを守る活動をサポートしました。

フレンズの『チャイルド・セーフ・ムーブメント』(英語)のWEBサイト

<シーライツの取り組み>

子どもを守るためのヒントが書かれた、カンボジアへの旅行者用リーフレット「チャイルドセーフ・トラベラーガイド~カンボジアのストリートチルドレンを助ける7つの方法」の日本語版を配布しました。

チャイルド・セーフ・ネットワーク・キャンペーンの特設WEBサイト

チャイルドセーフ・ホットライン・プロジェクト

支援期間:2007年11月~2008年2月

「チャイルドセーフ・ホットライン」は、フレンズ・インターナショナルによって運営されており、地域住民が、子どもに対する虐待や子どもが危険な状況に置かれているのを目撃したときや、子ども自身が助けを求めるときなどに通報してもらい、迅速に対応するための緊急連絡用電話です。

電話を受けたホットラインのスタッフは、助けを必要としている子どもの場所へ専門のサポートチームを派遣します。

2007年7月に始まったホットライン事業は、10月まで平日の昼間しか運営されていませんでした。これを24時間体制にし、夜間や土日も緊急事態にある子どもを保護することができるよう、サポートしました。

写真ワークショップ

支援期間:2006年10月~11月

アンコールワットで知られる街・シェムリアップには、旅行者に物乞いをしたり、物売りをしてお金を稼ぐストリートチルドレンがいます。ストリートチルドレンたちは路上で暴力や差別を受けたりすることにより、ふだん自尊感情がひどく低くなってしまっています。

この写真ワークショップは、 ①暴力や差別を受けたりすることで自尊心を傷付けられたストリートチルドレンが、自分を表現し自尊心を取り戻すこと
②子どもの性的搾取に関して社会に訴えること

を目的として開催されました。

ワークショップの活動内容は、まず、10人のストリートチルドレンに使い捨てカメラの使い方を指導しました。その後、普段はストリートチルドレンは写真を撮られる側ですが、今回は写真を撮る側となり、観光客対象に写真撮影をしました。

写真撮影が終了した後、写真展開催のために写真を選び、題名をそれぞれにつけました。そして、写真展「シェムリアップのストリートチルドレンから見た観光客」が開催されました。

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。