カンボジアだより
2015年08月25日
コミュニティセンターの「チャイルド・フレンドリー・スペース」で毎週実施しているピア・エデュケーター(子どもの代表)のミーティング。
8月から2カ月の夏休みの間に、各村の読み書きが十分にできない子どもたちのための「読み書き教室」を開催することを話し合いました。
話し合いでは、クメール語の読み書きだけでなく、今までにピア・エデュケーターとしてシーライツから学んできた「子どもの権利」も村の子どもたちに教えよう、ということになりました。p>
学校は夏休みになりますが、村の子どもたちはその分、家事を手伝ったり、家畜を放牧するために遠くの牧草地に朝夕通わなければならなかったりと、忙しくなります。それでも、30名近いピア・エデュケーターが「自分の住む村で、読み書きができない小さい子どもたちを教えたい」と言ってくれました。
ピア・エデュケーターは、まず、自分の村で小さい子どもや近所のおとなたちに読み書き教室の話をして、参加したいという子どもをリストアップしました。そして、何時にどこで教室を開くかを決めました。多くのピア・エデュケーターが自分の家の庭先で早朝に教えることになりました。
シーライツは、教室で教えるのに必要なホワイトボード、マーカー、ホワイトボード消し、クメール語のテキスト、出席簿などを準備してピア・エデュケーターに配りました。(ホワイトボードを適当な大きさに切りだして、フレームを付けたのはピア・エデュケーターです!)
いざ、読み書き教室を始めてみると、次から次に子どもたちが集まって、中には40名近い子どもを教えることになったピア・エデュケーターもいました。
自宅を教室として使うことや、子どもたちがたくさん集まってにぎやかになることで、ピア・エデュケーターの家族がどんな気持ちでいるかとシーライツのスタッフは心配していましたが、ピア・エデュケーターの家族は「自分の子どもが近所の子どもたちに勉強を教えていることをとても誇らしく思っている」と、この活動を歓迎してくれました。ピア・エデエュケーターたちも「子どもたちから『先生、先生』と呼ばれてうれしい」、「クメール語と子どもの権利以外にもいろいろ教えたくて、英語や算数を教えている」と楽しそうに話してくれています。
ピア・エデュケーターのトンくん(中学2年生)のお家。
トンくんは、近所の子どもたち30人以上を教えています。
また、うれしい効果として、ピア・エデュケーターが読み書き教室の中で、コミュニティセンターの図書室のことやチャイルド・フレンドリー・スペースで開催しているイベントの話を子どもたちにしたことによって、図書室に本を読みに来る子どもやイベントに参加する子どもが増えました!
ピア・エデュケーター自身もほかの子どもたちに教えることで、成長しています。
<読み書き教室で教えているピア・エデュケーターのリアンくんの例>
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リアンくんは17歳、中学2年生です。
昨年の秋から、シーライツの事務所に通って勉強しています。
当時のリアンくんはクメール語の読み書きがあまりできませんでしたが、毎日一生懸命勉強して、今では近所の子どもたちにクメール語を教えられるまでになりました。
リアンくんが教えるのは9名のこどもたち。この時はちょうど算数を教えていました。
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日曜日や祝日以外は、基本的に毎日、夏休みが終わる10月下旬まで、この活動を続けていきます。