カンボジアだより
2009年10月16日
こんにちは、筒井です。今回はストリートチルドレンについて、少し深く考えてみたいと思います。早速ですが、みなさんの中には、きっと以下のような経験をお持ちの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
「海外旅行中に、特に途上国の都市の路上で、物売りや物乞いをしている子どもたち―いわゆるストリートチルドレン―に会ったけれど、どう接していいか分からなかった。」
私も学生のときに同様の経験をし、非常に大きなショックを受けました。過酷な環境で食べ物にも困っているのだから、売り物を積極的に買ったり、お金を恵むことはいいことだ。いや、お金をあげるのは倫理的によくないので、かわりに食べ物を渡すのがいいだろう。ストリートチルドレンを助けるとはどういうことなのか、いろんな意見や考え方があると思います。
そこで、今回ご紹介したいのが、ストリートチルドレンの保護や社会復帰を目指して、彼らと共にユニークな活動を展開しているフレンズというNGOのチャイルドセーフ事業です。チャイルドセーフ・センターでマネージャーを務めるマオさんにお話を伺ってきました。(写真はマオさん。チャイルドセーフ・センターにて。)
*チャイルドセーフに関する情報は、以下のサイトをご覧下さい。
http://www.childsafe-international.org/CAMBODIA/CSCambodia.asp
「私たちは、子どもが危うい状況に置かれている場面をしばしば目にすることがありますが、問題はその危険性を認識できないこと、あるいは対処の方法を知らないことです。」チャイルドセーフ・センターのマオさんは、真剣な眼差しでこう話してくれました。
カンボジアでは、観光産業の拡大に伴い、法の未整備や汚職につけこむかたちでセックスツーリストが流入しました。その中には多くの子ども買春者も含まれており、性的搾取の被害にあうリスクが高いのがストリートチルドレンです。また、路上生活を続けることは、健全な成長を妨げるような仕事に追いやられたり、教育の機会を奪われることにつながります。
一般の旅行者でも気がつかないうちに路上での児童労働に加担してしまうことがあります。たとえば、物売りや物乞いの子どもに直面したら、お金はもちろんのこと、クッキーやキャンディなどの食べ物も渡してはいけないとマオさんは言います。子どもが路上で稼げたり食べていけることになり、子どもの路上生活を助長することになるからです。
「そういうときは、笑顔で話しかけ、チャイルドセーフ事業のことを教えてあげてください。もし知らない子どもがいたら、すぐにセンターまで電話してください。」
センターでは、カウンセリングや家族との再統合、刑事訴追、医療支援、補習授業、職業訓練など、緊急に必要なサポートや適切なサービスの紹介を行っています。また、観光客を対象に情報提供を行い、ストリートチルドレンを助ける方法を伝えています。
ストリートチルドレンを性的搾取や児童労働などの様々な危険から守るために、フレンズは旅行者向けに7つのアドバイスとホットラインの番号を載せたリーフレットを配布しています。また、旅行者と接する機会の多いホテル、レストラン、インターネットカフェ、タクシードライバー、旅行代理店などを対象に研修を提供し、ネットワークを構築することによってストリートチルドレンを取り巻く様々な危険を取り除く活動に努めています。トレーナーは各業者の職場に直接赴き、実地研修を行います。研修を終えた業者たちは、認定メンバーとしてフレンズのウェブサイトなどで紹介されるようになり、利用者の獲得につながります。C-Rightsは、旅行者向けリーフレットの日本語版作成と研修費を支援しています。
「子どもにとって危険なことに注意を払い、どうすれば子どもを守れるのか、しっかりと判断することが重要です。」2007年にオープンしたセンターは、心のこもったスタッフに支えられ、今日も活動に勤しんでいます。
ストリートチルドレンを助けるとはどういうことなのか、みなさんの答えは見つかりましたか?
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http://www.c-rights.org/join/monthly.html