カンボジアだより
2017年03月8日
シーライツは2014年4月からカンボジア・スバイリエン州コンポンロー郡タナオコミューンで、ベトナムへの出稼ぎによる子どもの人身売買及び児童労働防止事業を実施してきました。
2017年3月に事業の第一期が終了することから、外部コンサルタントによる事業 の評価を2016年11月から12月にかけて行いました。
現地タナオコミューンでの調査では、合計161人の住民や子ども、関係者にグループ・ディスカッションとインタビューを行いました。
「カンボジアだより」では、ピア・エデュケーターとして3年間活動してきた2名の子どもの声を2回にわたってご紹介します。
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ピア・エデュケーターのソンハー(中学2年生)
ソンハーはプロジェクトを始めた2013年当時からのピア・エデュケーターでした。
彼には19歳の兄(12年生)と16歳の姉がいます。
彼の姉は9年生を終えてから、学校に行くのをやめて、弟を学校に行かせるためにカジノで働くことを決めました。
彼の母親もまた、家計を助けるために縫製工場で働いている一方、父親は息子たちと一緒に暮らしています。
「お姉さんには申し訳ないと思っています。お姉さんはとても賢かったので、縫製工場の仕事はすごく大変なのを知っていて、お母さんと同じ場所で働くのを嫌がりました。
結局、カジノで働くことに決めて、とても小さいのにディーラーとして働いています。
僕はお姉さんへの感謝の気持ちを忘れないで一生懸命勉強していますが、同時に、お姉さんが僕らのために働かなければならないのがすごく悲しいです。」
ソンハーは困っている子どもたちを助けたくて、ピア・エデュケーターとしてプロジェクトに参加しました。
彼の村には、様々な理由で学校に行けない子どもがいて、その子どもたちを活動に参加することで助けたかったのです。
現在、彼は毎日18時から1時間、7年生の4人の友だちの先生をしています。
「何人かの僕の友だちは文字を読むのに苦労しています。
お父さんが反対しないでいてくれるので、読むのが得意ではない僕の友だちを、毎晩僕の家に呼んで一緒に勉強しています。
僕は世界の指導者の伝記などを詠むのが好きです。
これらの本は図書室(CFSチャイルドフレンドリースペース)から借りて、家で読みます。
友だちにも読んでほしいですが、彼らは文字を読むのに苦労しているので、一緒に読んでいます。」
ピア・エデュケーターとして、彼はほかの子どもを助けるのが好きで、夢は将来先生になることです。
CFSで借りられる本があるということが、彼の学びたいという気持ちと、他の子どもに教えたい、という気持ちを後押ししています。