カンボジアだより
2014年10月24日
タナオ・コミューンの小中学校の新学期は、11月から始まります。
(例年、新学期は10月1日から始まりますが、今年は教育省の事務方が遅れていて、全国で新学期が11月1日に延期されました)
約3ヵ月にわたる夏休みの間に、出稼ぎや物乞いに行ったり、家事手伝いをすることになり、新学期になっても学校に戻ってこない子どもの人数が例年多いことから、今年は「To send children to school」キャンペーンを実施しました。
同時に、「貧しくて学校に行けない子どもたちのためにお金を集めよう」というキャンペーンも実施しました。
このキャンペーンには、ピア・エデュケーター(各学校から選挙で選ばれた子ども代表)とタナオ・コミューンの160名の子どもたちが参加しました。
学校の校長先生や村長さん、コミューン評議会のメンバー、地域のお年寄りなども、協力してくれました。
キャンペーンの準備では、子どもたちが標語を考えて、それをプラカードにしました。
例えば、
「お母さん、私を学校に通わせて!」
「いい親は子どもを学校に通わせるもの」
「勉強を続けさせて!この国は僕を必要としているんだ!!」
「良い教育を受けられれば、何だってできるし、何にだってなれる!」
「学校に行かせてもらえないなんて、黙っていられない!」
「お父さんお母さんは私に命を与えてくれて食べ物をくれるのに、どうし学校に行かせようとはしてくれないの?」
というようなメッセージです。
そして、子どもたちはプラカードを掲げ、募金箱を持ち、あらかじめ録音しておいたメッセージを流しながら、タナオ・コミューンを行進しました。今日はコミュニティ・センターを出発して、ブン村、クバルタナル村、トム村、明日はカエッワット村、レックワット村、トラオーク村というように、1日に3ヵ村程度、4、5kmを行進しました。
地域の人たちは、たくさんの子どもたちが集まって、とても活発に活動しているようすを見て、喜んでくれました。沿道に出て子どもたちを励ますだけでなく、子どもたちに渡すお金を用意して、子どもたちの行列がやって来るのを待っていてくれた人もいました!
そうして、「子どもたちを学校に通わせてほしい」とアピールしながら、貧しくて学校に通えない子どもたちのための募金も1日で50ドル(約5000円)近くも集めることができました。
キャンペーンが終了したら、貧困のために学校に通えていない子どもたちを選んだり、集めたお金をどのような学用品を購入するために使うかなどを決める会議に、子どもたちの代表としてピア・エデュケーターも参加する予定です。
このように、子どもたちが積極的に声を上げたり、意思決定の機会に参加することで、おとなたちの「教育」に対する意識を高めたり、子どもの視点を地域社会に取り入れる仕組みを引き続き築いていきたいと思います。