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ベトナムの市場で物乞いするカンボジア人

カンボジアだより

2013年09月24日

 

ベトナムの市場で物乞いするカンボジア人

 こんにちは。カンボジア事務所の上田です。

先日、カンボジア人スタッフと2人で、ホーチミンに行ってきました。スバイリエン州の事業対象地(タナオコミューン)から、ホーチミンの市場で物乞いや宝くじ売りをしている世帯がいるので、可能であれば会って生活の様子など話しを聞きたいと思いました。

2日かけて探し歩いた末、ある市場でやっとカンボジア人の子どもたちと赤ちゃんを抱いたお母さんたちを見つけることができました。怖がらせないようにと、慎重かつ丁寧に話しかけると、そこにいた7名程の顔色がさっと変わり、そそくさと立ちあがってその場から逃げだしてしまいました。私たちが追いかけて来ないことを確認するように、後ろを振り返りながら小走りで去っていきます。遠くでは同じように赤ちゃんを抱いたお母さんたちが数名集まり、こちらの方を見て話をしています。結局1時間程その場にいましたが、彼女たちの姿を二度と見ることはできませんでした。彼女たちは、どこかに隠れて私たちを見ているのでしょう。他のカンボジア人の姿を見ることもありませんでした。携帯電話か何かで連絡を取り合っているのだと思います。きっと、私たちに対して「恐怖」を抱いているのだと思います。

 シーライツの事業地で、ベトナムに違法な出稼ぎをしている人たちは、全く村に不在の人もいれば定期的に村に帰ってくる人たちもいます。後者は、帰ってくるたびに宴会三昧の日々を送ります。近所の人たちを呼び、朝から酒を浴びるように飲み、一日中楽しそうに過ごします。

もう少しお金がたまると家の改修をします。そして言うのです、「村に残っている人々のような、あんな生活はしたくない。汗水たらして働いても、三食食べられない生活なんていやだ。自分たちは朝からクイティウ(米でできた麺)が食べられる」と。

 しかし、その生活を支えるのは、恐怖と不安、猜疑心と葛藤であることが垣間見れました。人の良いタナオコミューンの人が、このような生活を強いられていると思うと、その悲惨さが際立ちます。彼らがカンボジアの村で生活できる方が何万倍も良いのに、と思うのは、私の浅はかな考えでしょうか。

 私たちにできることは、地域を良くして、彼らが村に帰ってくることができる選択肢を増やすことしかありません。「帰って来たければいつでもどうぞ」と彼らを包むような故郷を、住民と共につくりたい。その決意をまた新たにしました。

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。