カンボジアだより
2013年01月9日
カンボジアでは11月に雨期が終わり、12月を経て、道路もだいぶ固まってきました。ただ、大きくて深い水たまりとなっていた場所などは、そのままの形で硬く固まっていくので、以前にもましてデコボコがひどい状況です。乾季になったとはいえ、村までの移動は相変わらず大変です。
先日、シーライツの活動地であるスバイリエン州、コンポンロー郡、タナオ小学校で小中学生徒16名とともに、この地域の最大の課題であり、シーライツが取り組んでいる「違法な出稼ぎ」について問題分析しました。
子どもたちが「『違法な出稼ぎ』とは何か?」や「なぜ人々は『違法な出稼ぎ』をするのか?」というトピックについて、知っていることや考えたことを紙に書いて、その紙を貼り出し、子どもたちが自分の意見を自由に発表できるよう演出しました。
子どもたちは、反応が早く、様々な個性的意見を述べました。また、想定していたよりもずっと思慮深い意見が出揃いました。
自分の意見を一生懸命紙に書く少女 cC-Rights
違法な出稼ぎの原因が経済的な理由という意見は当然として、もう一つの大きな原因が「他の人を安易に信じてしまうから」という意見が出ました。そして、その意見のどこが問題なのかという議論が白熱しました。また、情報をどのように判断することがいいのか、話し合いをしました。
出どころのわからない情報の信憑性を検証する場合どういう方法があるか、という問いに、ごく普通の意見として「親や親せきに聞く」、「テレビを見る。ラジオを聞く」という方法が挙げられました。
ある10歳の男の子が「調査する」と言いました。
「そんな深いことを言う子どもがいるなんて…」と正直、衝撃を受けました。
この男の子は、本を読むのが大好きだそうです。
子どもたちから出た意見をまとめるシーライツのスタッフ cC-Rights
自由に考える、思ったことを恐れることなく発表できるということは、とても大切です。
子どもの考える力と想像力に驚かされました。
しかし、この力を彼らはどこで活かせばいいのでしょうか。どのような機会を私たち大人は提供できるでしょうか。
彼らの才能と能力が発揮される場を作り、彼らが社会に貢献できるようにするのは私たちの責任です。今年はこの気持ちを形にしていきたいと思います。
あなたも一緒にどうですか。