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根絶されないカンボジアの処女の取引

カンボジアだより

2012年11月27日

 

 今回の記事は、処女買春についてです。

ある調査で、カンボジア人男性133人にインタビューしたところ、37%の人々が 子どもを買春したことがあると答えています。残念ながらカンボジアでは、たとえ恋人や妻がいても、買春がごく普通に行われており、最近ではセックスワーカーに対する集団レイプなど多くの問題を引き起こしています。その主な原因として、は、以下の記事にもあるような人権が大切にされない文化的価値観などが挙げられます。子どもを中心とする処女買春をなくしていくには、特に若い男性を中心に、人権教育や性教育をすることが、何よりも大切なことだと思います。そして、加害者を法の下できちんと取り締まり、事実を発信しなければ、いつまでたってもこの問題は解決されません。
これは、日本にいる私達にとっても、決して他人事ではありません。買春する多くの男性は、欧米や日本のポルノビデオの影響を受けており、その結果特にティーンエージャーによる少女に対するレイプ事件が増えているとも言われています。
この子ども買春という問題は、カンボジアはもちろんのこと、日本を始めとする先進国においても、共に考えていかなければいけない問題であると感じました。
(HCCインターン 林雅雄)

 

根絶されないカンボジアの処女の取引
プノンペンポスト紙  2012年9月11日号
Virgins’ trade keeps plaguing Cambodia
11 Sep 2012

17歳のチャン (仮名)は、数年間働いていたカンダール州の縫製工場出入口で、女性ブローカーと初めて出会った。貧しさと身体的苦痛が重なって、自分の処女と引き換えの2000ドルという約束は、魅力的なものに思えた。チャンは自分の身体を売ることに同意し、数日の間にすぐプノンペンに連れ去られ、ホテルの部屋で待っていた中国人の客に買春された。

しかし、このような犯罪でブローカーや中国人客が刑務所に送られる可能性は、ほとんどない。

反搾取団体によると、処女売買はカンボジアで蔓延しており、闇に追いやられているという。トゥール・コークの売春街の赤いネオンや、耳障りなカラオケバーの音のあたりには、もはや隠れていない。犯罪の調査はほぼ不可能な状態だ。

むしろ、男達は今、「ブローカー」を通して処女を買っており、彼らは目立たない場所で、若い女性を手配するために電話をするだけで女性が運ばれてくる。

「本当に数多くのブローカーがどこにでもいます。あなたが、カンボジア人でカンボジアのビアガーデンに行き、処女はいるかと尋ねたら、90%の確率で手配できることを、保証します。」反人身売買搾取団体SISHAの事業責任者Eric Meldrumはこう述べた。

 「これは、大変深刻な問題です。カンボジア人男性は、幼い少女とセックスをしている。現在、このような犯罪は地下に隠されていて、警察は、彼らを見つけ出して裁判に掛けるようにできる、色々な秘密作戦ができないのです。」

 警察は、秘密調査を通して、麻薬犯罪グループを壊滅させているが、人身売買や性的搾取に関する法体制では、警察が同様のことをすると不法行為になってしまうと、Meldrumは言った。

「性的な人身売買は目に見えない犯罪だ。それは、地下にもぐり込んでしまった。地下組織に対抗するには隠れた戦略をとらなければならない。そうした作戦の1つは、秘密裏に行われる・・・しかし、人身売買の罪ではそれが出来ない。法律にはなく、不法となってしまう。―従って、ブローカー仲間から証拠を見つけ出せる道がない。・・・それは、この犯罪に立ち向かう上で、唯一のそして最大の障壁である。」と彼は話した。

 アメリカ国務省発行の2012年人身売買報告書は、子ども買春の最大の需要は、カンボジア人による処女売買であり、それがカンボジアを苦しませ続けているにもかかわらず、政府が人身売買を撲滅するための最低限の基準にそってすら対策をとっていないことを強調している。

プノンペン郊外にあるスワイパーという売春街の地域は、子どもの性的搾取が横行しており、警察は閉鎖を指導し数えきれないほどの努力をしているにも関わらず、業者は経営を続けていると話した。

 プノンペン警察のある上官は、匿名を条件に当紙に証言をしてくれたが、警察勢力が秘密調査をする能力をあまり持たないことや、政府の汚職が、多数の捜査を失敗に導いてしまっているという。

「これは大きな問題だ。たとえ私達が、ブローカーを捕まえるだけにとどまらない捜査ができても、ではトップにいる人物をどうやって捕まえればいいのか?彼らは固く守られ、とても力を持っている。多くの人々が関与している複雑なネットワークも存在している。カンボジアでは、警察の長官達は、決して本当の加害者を厳しく取り締まらない。彼らはより政治的に立ち回る。」

 彼は職務中、処女を買わないかとブローカーに接触されたという。値段は、ホテルの部屋にやってきた少女の美しさや年齢で決められ、最大で5000ドルになるとのことだった。。

「カンボジア人男性で、少女を買った罪で有罪判決を受けた人は、1人としていません。―ゼロです。」彼は言った。

 しかし、内務省長官Chou Bun Engは、取引された少女の人数をはっきりさせることはできないが、処女取引を撲滅することは、政府の優先事項であると話した。

 犯罪を捜査する警察のやり方について尋ねたところ、彼女は、それは「専門的な問題」と話したが、性犯罪の犯人に密告することを恐れたため、詳細に話すことは拒否した。

 カンボジアや他のアジア文化では、多くの男性が、処女とセックスすることで若さを取り戻し、HIVのような病気を治し、より長い人生を得られるという迷信を信じている。

 「処女とセックスすると神秘的な力を得られると考えるこのアジア的伝統は、厄介であり、多くの場合、若い女性に対する性的虐待の一番の原因となっている。」人権団体LICADHOの代表、Dr Pung Chhiv Kekは述べた。

 「必要なのは、教育、バランスのとれた発展、また、まともな文化の普及、虐待の隠れた行為の全てに対して闘うという政治的意思を持った力のある人々を巻き込むことでます。 子どもの権利保護のためのカンボジアセンターは、プノンペンとスヴァイリエンにあるリハビリシェルターを持ち、人身売買や性的搾取の被害に遭った100人の女性や子どもを受け入れている。その代表のNget Thyは、性的犯罪のパターンが変わってきたと話す。

 「彼らは闇組織で働き、一昔前とは違って多くの場合裕福で、社会的地位の高い顧客を持っている。・・・また、若い女性から情報を得ることは難しい。彼らは自らの行動を恥だと思い、何人かは自分の意志でそこにいる。」と彼は話した。

「時々、売春業者は、私達が彼らのもとにたどり着く前に少女を連れて去ってしまうこともある。」

 

 

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。