カンボジアだより
2012年04月25日
毎年、シーライツのカンボジア事業を応援してくださっているNTT労働組合西日本本部(以下NTT労組)の10名の皆さまが、4月24日に事業地のカンボジア・スバイリエン州を訪問されました。
NTT労組様を初めいくつかの団体に、貧困が原因で人身売買や児童労働のリスクが高い家庭の少女たちに、主食となるお米や学用品や制服を配布する「通学支援」にご協力いただいています。
午前の視察では、通学支援を受けている家庭を訪問し、少女や両親に「支援を受けて変わったこと」や、「子どもたちの日々の生活の様子」をインタビューしました。
少女たちが、早起きをして農作業の手伝いをした後に学校に通っていることや、学校に通い続けることで、勉強が楽しいと感じたり、将来の夢が広がったり、友だちが増えて充実した毎日を送っているという話を聞くことができました。
家庭訪問で少女にインタビューしている様子cC-Rights
午後には、子どもを人身売買や児童労働から守るための子どもによるネットワークの啓発活動に参加しました。この日は、「子どもの権利には①生きる権利 ②育つ権利 ③守られる権利 ④参加する権利の4つがある」ということを、ネットワークメンバーである数名の生徒が、他の生徒たちに伝えるセッションが行われました。
活発なセッションの様子を視察したNTT労組の皆さまからは、「日本の子どもたちは、学校に通い、病気になったら治療をしてもらい、自分の意見を言えるというのは、ごく自然なことだと考えているから、『子どもの権利とは?』という質問をしたら、恐らく明確に答えられないだろうと思う。視覚にうったえるピクチャーカードを使ったセッションは、とても効果的で今後の活動の広がりが期待ができるのでは」という感想をいただきました。
黒板にピクチャーカードを貼り、子どもの権利の種類を具体的に伝えるネットワークのメンバーcC-Rights
スバイリエン州のシーライツの事業地は、主要幹線道路をはずれ、舗装されていない悪路を四駆の乗用車で2時間近く走らないとたどり着けない内陸部に位置しています。日頃から交通の便が悪く、通信事情も限られています。
今回のNTT労組様の訪問は、ふだん外の世界の人と接することがなかなかない事業地の子どもたちにとってとても新鮮な体験であり、これからも通学を続けていく励みになると思います。
校庭で、子どもたちとゲームをして交流を深めましたcC-Rights
NTT労働組合西日本本部の皆さま、ありがとうございました。
家庭訪問先での集合写真cC-Rights