カンボジアだより
2014年03月25日
アフェシップ・フェア・ファッションは、人身売買・性的搾取の被害にあった女性たちが職業訓練を受け、経済的に自立するためフェアトレード商品を製作・販売する縫製所です。ここで働く女性たちの中には、幼い子どもを持つ母親も多く、ミシンのそばで子どもを寝かせたり遊ばせたりせざるをえず、危険であるとともに子どもたちの健やかな成長の機会が奪われていました。また、家に小さな子どもをおいて、働きに来ている母親は、仕事に集中できなかったり、育児の不安も抱えていました。
シーライツは、2009年より縫製所内に保育室を設け、保育担当者の人件費や子どもたちの食事・衛生用品などの購入を支援してきました。母親たちは、子どもが病気になった時の対処や健康的な食事についてなど、保育担当者にいつでも相談することができます。
その結果、子どもたちが母親のそばで安心して楽しく幼児期をすごすことができ、人身売買の被害に遭った女性たち(母親)が経済的な自立に向けて、集中して洋裁の仕事に取り組むことができています。
今回は、2013年の大晦日にAFFで催されたイベントのレポートを通じて、母親を含むAFFで働く女性たちの仕事ぶりや仲間とのつながりについてご紹介したいと思います。
—————
12月31日は2013年の最後の日であるとともに、新年の2014年を迎える前日でもあります。朝8時にスタッフ全員が予定通り出勤し、「反省会」のために一同に会しました。「反省会」は、AFFの4つのプログラムについて、この1年間にどんなことが実施されたか、それらに対するやりがいや課題を挙げ、活動の達成度を一つ一つ検討しました。2013年、AFFのどんな活動がスタッフにとって有益であったか、どんな活動があまりよくなかったのか、全員出席のもと、小さなグループに分かれて、意見や問題と感じていることなどをお互いにシェアしました。
3時間にわたる「反省会」はとても有意義でした。というのも前述したようなわかりやすい話し合いの方法が用いられたため、話し合いの結果を皆で共有することができました。
AFFの代表・ロタ氏はこう言っています。「私は、AFFの代表として、スタッフたちに、感謝と感激の気持ちでいっぱいです。こうしていろいろなことを皆でシェアできたことは素晴らしいと思うし、2013年に自分たちがどのくらい成長したのか、どの程度まで達成できたのかを把握することができました。この話し合いは、私たちが当然にやるべきことであり、義務でもあります。AFFのさらなる発展のために、これからも続けていきたいと思っています。」
開発部門のマネージャー・ハンさんもこう付け加えました。「私も、ロタと同じように、チームの一員であることをとても誇りに思っています。そしていわゆる『チームワーク精神』と呼べるような素晴らしいものを築き上げてきた、と強く感じています。お互いに正直に意見を言い合い、団結してきました。それはAFFにとって、とても重要なものです。とにかく、私はスタッフのみんなが、マネージメントとAFFの発展の両方を視野に入れて仕事をするように育ってきていることがとてもうれしいです。」
楽しそうに笑ったり、手を叩いたり、声を上げたりしながらも、「反省会」はきちんと行われました。
反省会のあとは、全員で新年を祝いに出かけます。スタッフは皆、口々に「そろそろ出発しよう!」と言っています。
cAFF
5分もしないうちに、スタッフは全員、車に乗り込みました。ヴェン・スレン通りを通り、モニヴォン橋の先の国道1号線に沿って車を走らせます。大晦日とあって、道路はとても混んでいて、予定より30分も遅れて、「キエン・スヴァイ・リゾート」と呼ばれるピクニックエリアにやってきました。
AFFのスタッフ・ワンリーはこう言いました。「こんなに大勢の人たちがここに集まっているなんて、信じられません。私は初めてここに来たのですが、びっくりしました。そして、こんなにもたくさんの食べ物があるなんて・・・。蒸したり焼いたりした魚、チキン、新鮮な野菜、スープ、卵、フルーツ、カンボジア風ケーキなど、100種類を超える食べ物が並んでいます。何を選べばいいかわからないし、全部味見をしたい気分です!」
チームリーダーの一人・トゥーチが言います。「これからは、ストレスを解消する時間よ。これまでにあった嫌なことは、全部ここで捨てて、楽しいことや縁起のいいものだけを新年のために持って帰りましょう。」
cAFF
この1年、AFFのスタッフは本当によく頑張ってきました。そしてマーケットの需要に応えるため、流行に追いつくため、新しいデザインや新しい技術、アイディアを出し合ってきたのです。
ハンさんは、言います。「今日やるべき大切なことは、2つありますよ。1つは『振り返り』です。それは、今朝、順調に終わりました。そしてもう1つは『新年を祝う』ことです。こうやってたくさんの食べ物に囲まれて楽しんでいる、今まさに私たちがやっていることがそれです。もう一度、皆さんのこの1年の努力と働きぶりにお礼を言わせてください。そして、成功を一緒にお祝いしましょう。」
そして、皆、よく食べ、よく飲み、一緒にゲームをして、楽しく、幸せな時間を過ごしました。
午後4時になりました。スタッフも子どもたちも本当に満足そうで、次のイベントとなるカンボジアのお正月(4月)が待ちきれない様子でした。
cAFF
スタッフのチャンティは言います。「すべてのスタッフを代表して、AFFのマネージメントチームに、そして支援してくださる皆様に心からお礼を申し上げます。ご寄付をくださったり、私たちが作った製品を買うことで私たちをサポートしてくださるすべての皆様にも感謝申し上げます。皆様のおかげで私たちの生活はますます良くなっているのです。」