カンボジアだより
2010年06月4日
はじめまして、こんにちは。去年の12月からシーライツで働いているカンボジア人スタッフのティム・チョムロンといいます。今年は雨季に入ってもなかなか雨が降らず、5月はとても暑い日が続きましたが、最近になってようやく雨が降り始めました!これでちょっとずつ涼しくなってくると思います。
さて、日本では5月5日が子どもの日だと聞いていますが、カンボジアでは6月1日に祝います。1925年にジュネーブで開かれた「子どもの福祉世界会議」で、6月1日が国際子どもの日と決められたからです。今年も、カンボジア政府は子どもの日を祝うイベントを、6月1日に国立教育研究所で開催しました。そのイベントに筒井とともに招待されたので、当日の様子をお伝えします。
カンボジアから児童労働をなくすために、ご支援ください!
詳しくは、http://www.c-rights.org/join/donation.html
子どもたちの代表スピーチcシーライツ
このイベントは、子どもの日だけでなく、6月12日の「児童労働反対世界デー」のキャンペーンも含めて実施されました。イベントには、メン・サムオン副首相や社会福祉省の大臣をはじめ、ILO(国際労働機関)やユニセフからも代表が出席しました。もちろん、会場は多くの子どもたちで埋めつくされ、私たちのように子どもの支援に取り組んでいるNGOも招待されていました。会場にはエアコンがありましたが、時間がたつにつれて参加者の熱気でどんどん暑くなっていきました。会場には1,000人以上の参加者がいたように思います。
イベントは国歌斉唱から始まり、次にまだ5歳くらいの子どもたちが見事なダンスを見せてくれました。続いて、各団体の代表者のスピーチに入りましたが、ILOの代表は「カンボジア政府と協力して、2016年までに最悪の形態の児童労働をカンボジアからなくします」と力強く宣言しました。シーライツもその目標達成に向けて、これからも努力し続けていきます。
子どもたちの代表もスピーチを行いました。中学生ぐらいの女の子でしたが、6月1日をカンボジアの休日にすることを政府に対して堂々と提案していました。そうすることによって、子どもが直面している問題に国民全体が注目するいいきっかけになるからだそうです。しっかり前を向いて、はきはきとしたすばらしいスピーチでした。
最後に、メン・サムオン副首相のスピーチでは、子どもをタケノコにたとえ、子どもたちがすくすくと育つために、子どもたちが学校に行けるようにすることに全力を尽くすと述べられました。また、子どもたちの提案については、「フンセン首相にしっかりとお伝えします」と約束してくれました。
イベントでは、子どもたちの明るくいきいきとした表情が見られました。カンボジアでは、家の構造にたとえると、子どもは大黒柱であると考えられています。家の中央にあり、最初に建てられる柱だからです。つまり、カンボジアの未来と子ども自身のためには、子どもたちがすくすく育っていけるような環境を整えることが先決です。危険で有害な仕事をさせられずに、学校に行って勉強し、友だちと遊べるような環境です。残念ながら、まだカンボジアには学校に行けずに働いている子どもたちがたくさんいます。
また、幼いころ受けた傷はなかなか治らず、おとなになってからの生活にも影響するので、障害児や孤児に対する差別や偏見をなくさなければなりません。まずは身のまわりでできることから私たちは始めるべきでだと私は思います。カンボジアの将来のためにも、子どもがいつも笑顔でいられるように、4つの基本的な子どもの権利が尊重され社会を目指して、これからもシーライツでがんばっていきたいと思います。