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2019年03月22日
シーライツのカンボジア事業は現地NGOのCCPCR(Cambodian Centre for the Protection for Children’s Rights、以下CCPCR)と共に実施しています。CCPCRからの報告はこちらからご覧になれます。
2月には、事業地であるタナオコミューンへ行き、カンボジア事業のモニタリングを行いました。その際、ピア・エデュケーター2人の家庭を訪問しました。
(ピア・エデュケーター:子どもから子どもへ「子どもの権利」を教える子どものリーダー)
そのとき様子を、ネパール人インターンのジョシさんがまとめてくださいましたので、今回と次回の2回に分けてご紹介します。
ピア・エデュケーター(以下、PE)の女の子、シナちゃんの家を訪ねました。
彼女のお父さんは、マレーシアに出稼ぎに出て2006年に一度帰ってきたのですが、それ以降は家に戻っていません。2012年からは送金も途絶えています。
お母さんはそんな大変な中、豚や牛などの家畜の世話をしながら農業組合(AC)で働いて生計を立てています。
その上、自分の家の庭先でコミュニティ幼稚園を開いて、小学校に通う前の子どもたちのお世話もしています。お母さんも子どもの権利をシナちゃんから教わり、汚い言葉を子どもに対して使わず、暴力もふるわずにいます。そしてシナちゃんの教育を心から応援しています。
シナちゃん自身はとても真面目で努力家、勉強が好きではにかみ屋さんの中学生です。子どもの権利を学ぶのは楽しいことのようです。また、友だちの中には子どもの権利を知り、お父さんの暴力に対して「子どもの権利違反だよ」と伝えた人もいました。そのお父さんは暴力をやめたそうです。
PEをしていて難しいところはお菓子を用意できないと人が集まらなかったりすることだそうです。でも、活動によって新しい友達ができるのはうれしいそうです。中学校では、ニン・ソバ先生と協力して一か月に1,2回学校の休憩時間に活動をしています。子どもの参加する権利を学んだので、議論に参加したり、意見が言えたりするようになりました。また、守られる権利を知っているので暴力に対してやめてと言えるようになりました。
シナちゃんの親戚には、以前PEをしていた高校生のスレイヴァンもいます。
彼女は今高校3年生です。難しい高校卒業試験に向けて頑張っているところでした。彼女は高校を卒業したら先生になるための学校への進学を希望しています。彼女の年齢では、もう縫製工場などで働いている仲間も多く、学校では遊んでばかりいる人もいます。しかし彼女は幸運にも、シーライツ関係者の日本人のサポーターからの支援に恵まれ、その支援者のお陰で高校での勉強に集中できるそうです。この彼女の存在とお母さんの存在が、はにかみ屋のシナちゃんの心に大きな影響を与えていると思いました。
次回に続きます。
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