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2018年09月12日
前回に続き、2017年度カンボジア、スバイリエン州コンポンロー群タナオ・コミューンにて実施した子どもの権利促進プロジェクトにおける、準備期間の活動について報告致します。
<事業期間>
2017年4月~8月(事業準備期間)
1-1.パートナー団体との話合いおよび事業開始準備
1-1-1 マッピング(調査)
・当該事業地で、複数の団体・機関による類似の活動実施を避けるため、各団体がタナオ・コミューンでどのような活動をし、シーライツとどのような点で協働していける可能性があるかについてマッピング(調査)したところ、5つのNGO(サンテセナ、ICCなど)が人身売買防止、貯金、教育、農業などの分野で活動をしてきていることを把握し、かつシーライツの活動とは活動内容が重複していないことも明らかになった。
・また、タナオ・コミューンの11ある全ての村で、現在子どものためにどのような活動を行っているか、各村とシーライツがどのように協力していけるかについて、村長、副村長、校長など13人にインタビュー調査したことにより今後、活動を地域のキーパーソンと共に協働ですすめる可能性がみえてきた。
1-1-2 子どもの権利実現における問題分析と事業計画ワークショップ(2017年8月12・13日)の開催
・ワークショップ1日目(8月12日)、地域内の子どもの権利侵害の状況とその要因を確認したあと、参加者同士で解決方法を話し合った。2日目(8月13日)は9月からシーライツとパートナー団体による新体制での事業実施になるにあたり、具体的にどのような活動が可能かを話し合った。1日目は、ピア・エデュケーターの子ども、学校の教員、地方行政の役員、村長、農業組合のメンバー、農業組合(AC)のメンバーなど地域住民の合計29名が参加した。2日目の出席者は以下のとおり。
① ピア・エデュケーター 5名(ティー・フーン、ソン・ハー、ポム・ソブン、バット・スレイバン、チャン・レット、ダロ―)
②農協役員3名(CFS運営委員を含むソーロン、ホックリー、サンシター)
③学校関係者3名(チアソティア、ヌン・ソムアン)
④行政関係者(コミューン長代理・評議会評議員)1名(マウ・ヨ―ン)
・以下は、子どもの権利が守られていない原因と子どもの権利問題の解決についてグループディスカッションをしたあとに発表してもらった内容。
子どもたちの声
※上記子どもたちの声に関するピア・エデュケーターのソン・ハー君とシーライツ理事による解説
一番多く「問題」として挙げられたのは「親」に関するもの。多くの親が子どもの権利について知らない、知っていても関心がない。
さらにその原因の原因となっていると考えられるのが、識字率の低さや、歴史的な背景があって教育が十分でないこと。
親は子どもを産んだ瞬間に親になるが、一方で子どもを育てていくうちに徐々に「親」になる。
親はラジオや本などで子どもについて、子どもの権利も含めて学ぶ必要があるが、読み書きができなかったりすると、どうしても新しい時代の子育てについての知識が不足してしまう。
小学校の先生の意見
1-2 啓発活動
・(6月) ピア・エデュケーターの子どもたちに「権利とニーズ」について、ある子どもの事例についてグループディスカッションをし、ワークショップ形式でトレーニングをした。
・(7月) ピア・エデュケーターの子どもたちを対象とし、子どもの権利の侵害である「人身売買」と「児童労働」について、ピクチャーカードを使ってトレーニングを行った。
これまでのシーライツの活動を通じて、「人身売買」「児童労働」についてどのくらい知識があるかを調べるテストを実施。その後、人身売買の定義やだましの手口などのテキストを読んだり、映像を見せたりしながら学びを深めた。
グループディスカッションを取り入れ、人身売買に遭わないようにするにはどうしたらよいか、実際に被害に遭ったらどうしたらよいかという方策を子どもたちが考えられるようなワークショップも実施した。
⇒次の記事に続きます。
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