イベント
2021年10月2日
こんにちは!
シーライツインターンの土田向夏花です。
今回は9月10日に行われた第8回チャイルドライツ・カフェの内容をご報告します。
↑イベント当日の様子です!
■開催日:2021年9月10日(金)
■実施方法:オンライン
■参加人数:64名
講師プロフィール
■西野博之さん
1991年、川崎市内に「フリースペースたまりば」を開設。不登校児童・生徒やひきこもり傾向の若者たち、さまざまな障がいのある人たちとともに地域で育ちあう場を続けてきた。川崎市の子ども権利条例の策定に関わり、 2003年7月にオープンした川崎市子ども夢パーク内に、川崎市の委託により公設民営の不登校児童・生徒の居場所「フリースペースえん」を開設。現在「夢パーク・えん」総合アドバイザー。神奈川大学非常勤講師。
■甲斐田 万智子
NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事。文京学院大学教員。広げよう!子どもの権利条約キャンペーン共同代表。編著『世界中の子どもの権利をまもる30の方法』(合同出版)、共著『SDGsと開発教育 持続可能な開発目標のための学び』(学文社)、共編著『小さな民のグローバル学:共生の思想と実践を求めて』(上智大学出版)共著『対人援助のためのコミュニケーション学:実践を通じた学際的アプローチ』(文京学院大学総合研究所)ほか。
参加者の方々からいただいた感想とインターンの感想を、一部編集して紹介します。
西野さんのお話の一部をご紹介します。
生きづらさを抱える子どもたち
・コロナ禍で「接触」や「会話」の制限が長期化。
・一方、子どもたちには「触れ合い」や「繋がり」が必要。
◎一概に「非接触」・「非会話」を推奨していては、感染症は防げても別の理由で子どもたちの命が危険に。生きづらさを生む、孤立や分断への対応が迫られている。
不登校を捉えなおす
・不登校には、今も根強く「負のレッテル」が付きまとう。
・学校に行かないことが、子どもの「適合性」や「健康」に結び付けられることもしばしば。
↓
・不登校の理由がはっきり分かっているのは、西野さんの関わった子どもの内、1割くらい。
=複合的要因で不登校になるケースが大半。
・学校は、「安全」で「安心」できる場所となっているだろうか。
・変わるべきは、学校ではなく子どもの方なのかという根本からの問い。
◎不登校を「個人の問題」から、多様な背景を持つ子どもに対応できる機関があるか、子どもの得意を伸ばせるか、という「社会の問題」として捉えなおす。
知識以上の学びを
・インターネット経由で、間接的な情報にふれる機会が多い。
・AIが子どもに合うプログラムを先回りで提供。
=得られる情報は多い一方で、実体験がないのに「わかった気」になってしまう。
↓
・自ら自然の不思議さに気づく。
・五感を使って「群れ」の中で遊ぶ。
=直接体験で、自分の「感」・「観」・「勘」を育てる。
例)霜について
👩大人:霜って知っているかな?
👦子ども:聞いたことあるよ、雪みたいなやつでしょ。
👩大人:そうだね。でも、家の近くで見たり、触ったりしたことはあるかな?
雪とどんなところが違うんだろう?触ったらどんな音がするかな?
質疑応答の一部を紹介します。一部の質問について、西野さん/代表の甲斐田だけでなく、別の参加者の方が答えてくださる場面もあり、相互的で、カフェらしい会となりました。
異年齢の学びについて
西野さん
・これまで子どもたちは、同質同年齢の中で、優劣をつけられてきた。一方で、異質異年齢(障害の有無を含む)の仲間の中での学びは大きい。「人間って、こんなに違うんだ。」と気づける。
甲斐田代表
・ 「みんな同じでなくてはならない。」という同調圧力が、学校に来づらくなっている理由の一つ。誰の目線で教育を進めていくのか今一度考えることが必要。目的が、学校の存続にすり替わっていないだろうか。
日本の子どもの自己肯定感の低さについて
西野さん
・「先回りしなければ」、「失敗させたくない」、「正しい親にみられたい」という大人たちの不安が、背景にある。子どもは、自分の軸を持っていない状態で、他者と比較されてきた。
干渉しすぎず、子どもをもっと「ほっておく」ことが大切。
甲斐田代表
・子どもと大人の非対称な関係性が背景にある。大人と同様に、社会に参加し、生きているだけで十分なんだと思える社会づくりが必要。
第8回チャイルドライツ・カフェでは、質疑応答の際に、西野さん/代表の甲斐田だけでなく、別の参加者の方が答えてくださる場面もみられました。双方向的な意見・情報の共有を伴う、カフェらしい会になったと思います。
チャイルドライツ・カフェでは引き続き、様々な視点から「子ども権利」について、みなさまと考えていきたいと思います。ぜひご参加ください。
Recent News