報告
2010年06月22日
2010年5月20日、岐阜県の岐阜市立厚見中学校から6人の中学3年生が人権学習の一環で東京事務所を訪問してくれました。
まずは、DVDを見ながら、シーライツの団体紹介とカンボジアでの活動紹介をしました。続いての『子どもの権利』についての説明では、イラストを使ってより具体的に『生きる権利』、『育つ権利』、『守られる権利』、『参加する権利』を伝えました。日本で生まれ育った中学生に、『子どもの権利』という言葉を投げかけても、ピンとこないようでしたが、そんな時は、カンボジアなどの途上国の事例を挙げて説明しました。
その後、『日本の子どもは何をして働いているの?』というインドの働く子どもたちの声を紹介した絵本を見ながら、途上国の児童労働に触れました。
約1時間のやり取りの中で、訪問してくれた中学生も、次第に、途上国の子どもたちがどのような生活を送っているのか、また、私たち日本人が直接的、間接的に現地の子どもたちにどのような影響を与えているかなどを知ることができたようです。
最後に、「今日、見たこと、聞いたこと、学んだことを家族や友達にも伝えてほしい」「こういった状況を変えていくために小さなことでもいいから、できることをしてほしい」というメッセージを伝えて、訪問は終了しました。
後日、訪問してくれた中学生から感想文が届きました。
『お話や見学の中で印象に残ったこと』という設問の中で、ある女の子は、「(途上国では)飢えで死んでしまう子どもがいるというのは聞いたことがあったけど、6~7歳の子どもがおとなの性の相手をさせられているということが一番印象に残りました」と書いていました。そして、『これからやってみたいこと、実際にやったこと』という設問には、「日本とカンボジアでは、こんなに生活に差があることを知って、私にも何かできるならやりたい、と思いました」という抱負や「祖母がカンボジアに旅行に行くと言っていたので、国際子ども権利センターで教えていただいたことを伝えました」という報告が書かれていました。「ボランティア活動など、積極的にやっていけたらいいなと思います」という感想文もありました。
別の女の子は、『もっと知りたかったこと』という設問に、「子どもたちが働いていて、なぜ親は何とも思わないのかを知りたい」と書いていました。私たちスタッフとしては、事務所訪問時に「カンボジアでは、『子どもは家族のために働くのが当たり前』という習慣があります」と説明はしたのですが、うまく伝わらなかったのかもしれません。もしかしたら、そのようなカンボジアの習慣があまりにも現代の日本とかけ離れていて、理解しづらかったのかもしれません。「伝える」ということの難しさをスタッフ一同、実感しました。
事務所訪問は、小・中・高校生が対象で、修学旅行や授業の一環の場合のみ、受け入れていますが、若い世代に、このように途上国の現状やシーライツの活動を知ってもらえる機会を持てることは、とてもうれしいことだと思います。
この場を借りて、厚見中学校の先生・生徒の皆さんに感謝申し上げます。
生徒の皆さんの次のステップに期待しています!!
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