報告
2008年06月5日
2007年度に行った事業の報告第2弾です。今回は、性的搾取の被害者支援事業の実施状況とその成果をご報告いたします。
事業名:性的搾取の被害者の支援
実施期間:2007年4月1日から2008年3月31日(2005年9月から継続)
実施場所:カンボジア プノンペン
目標:性的搾取・性被害を受けた少女・女性の自立
性産業で働いている女性たちの中には妊娠して幼い子どもを育てている女性がいて、性産業で働くことをやめてほかの仕事に就きたいと思っても、子どもがいるのでそれができないと諦めている場合も多く見られます。そのような女性たちにも職業訓練を受ける機会を提供するためにアフェシップ(AFESIP:Action for Women in Distressing Situation:困難な状況におかれた女性のための活動)のトムディという職業訓練センターで保育ケア事業を実施しました。
具体的には女性たちが住み込みで職業訓練を受けているセンターの1室を保育室に改造し、保育士を雇い、昼間、女性たちが職業訓練を受けている間(午前7時半から午後5時まで。途中12時から午後2時まで昼休み)に子どもたちの保育をすることができるようにしました。
この結果、女性たちは集中して職業訓練を受けることができるようになりました。それまでは、幼い子どもがいて職業訓練を受ける女性たちは、子どもを親に預けるために別々に暮らさざるをえず、職業訓練に集中できないことも多かったのですが、女性たちは昼休みには子どもと一緒に食事をとることができ、夜は一緒に寝ることができるため、精神的な安定も得られました。
この保育サービスの結果、7人の女性が洋裁の職業訓練を受け、生後1ヶ月から2歳までの7人の子ども(うち6人は女の子)が衛生的で健全な環境の中で、栄養のある食事をとりながら毎日規則正しい生活を送ることができるようになり、健やかに発達することができました。
保育ケアを受けた子どもたちは、最初は顔色が悪くやせていて、それまでの環境から言葉遣いが悪く、食事のマナーもできていませんでした。遊ぶ際もおもちゃを独り占めして、自分だけで遊ぼうとしていました。しかし、ここで良い幼児教育を受け、幸せな気分を味わうことができるようになるにつれ、子どもたちの態度は変わり、相手を思いやることができるようになりました。礼儀正しく挨拶をしたり、感謝の気持ちを表したりすることができるようになりました。これらの変化を見て、センターで暮らすほかの女性たちも保育士の保育のやり方から多くを学んでいます。
この事業は、てのひら~人身売買に立ち向かう会、東京都から助成を受けたほか、多くの方々からのご寄付により実施することができました。
ご支援くださった皆さま、どうもありがとうございました。引き続き、2008年度もどうぞよろしくお願いいたします。
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