報告
2013年04月25日
今回の学習会は、シーライツ活動やカンボジアの少女が置かれている現状を学び、ボランティアとしてどのようなことができるのかを考え、それぞれが行動に移すきっかけにしてほしいと考え開催しました。当日は高校生、大学生、大学院生、テレビ局にお勤めの会社員、教員など幅広い層の方にご参加いただきました。
まず最初に、シーライツの活動の柱である「子どもの権利条約」と、シーライツがどのような使命とビジョンを持って活動しているのかを活動紹介ビデオを見て、学びました。子どもを守るおとなを増やすこと、そして自分は権利を持っていることを理解し自分で自分を守れるようになることが、子どもたちの権利を守るために必要であることがわかりました。
次に、カンボジアで制作されたドキュメンタリー映像を上映しました。これには、客をとらねばならないカラオケ店で働いている3人の少女の日常、悩み、将来の不安、本音などが描かれていました。彼女たちはすでに一児の母であったり、母親が病気であったりと様々な家庭の問題を抱えており、カラオケ店での収入が家族みんなを支えています。「私が自分自身を売っていることは間違っているとは思いません。だって母親を救うためにお金を稼いでいるのだから」という16歳の少女の言葉がありました。少女たちが自分たちの立場を、家族を支えるためには「仕方ない」「当たり前」と考えています。そして少女たちはそんな中でお互いを支え合っているのですが、最後にはカラオケの仕事をやめてアフェシップによる職業訓練を受けていました。
カンボジアの現状を知った後に、シーライツのカンボジアでの具体的な活動を甲斐田代表が説明しました。シーライツの職員から問題解決のためのトレーニングを受けたキーファーマー(農民代表)とピアエジュケーター(子ども代表)がリーダーとなり、まわりの村人に学んだことを広げていきます。シーライツは、現地の人が自分たちで状況を改善できるようエンパワーし、子ども自身が自分の権利を主張できるようになること、高額な化学肥料に頼らない効率的な農業で村人の生活が安定すること、そしてコミュニティ全体がよくなることを目指しているということでした。
最後に「ボランティアとして何ができるか」について話し合いました。グループにわかれてそれぞれ意見を出し合い、代表者が発表しました。「イベントやミーティングに参加して、それをまわりに広めることで問題や団体の認知度を上げる」や「啓発イベントなどの運営を支える」などの意見がありました。また、「ボランティアをする上で自己満足を避けるために、しっかりその団体のスタンスやビジョンを理解する」や「団体側が具体的な目標を提示してボランティアをしやすい環境をつくる」などの意見もありました。
「遠い海外で子どもの権利を守り、広める活動をしている団体」。最初はシーライツのイメージが漠然としていて、「自分に何ができるか」具体的なアイディアが思い浮かばなかった、という参加者でも、その団体のコンセプトやビジョンを理解することで、「自分にできること」をいろいろと発見できたと思います。みんなでアイディアを出しあって、シェアしたことそれ自体がシーライツのボランティア活動となったのではないでしょうか。
(シーライツボランティア・船水萌)
Recent News