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[報告]チャイルドセーフ・ホットライン

報告

2008年07月1日

 

 2007年度に行った事業の報告第4弾です。今回は、ストリートチルドレンを守る、チャイルドセーフ・ホットライン事業の報告をいたします。

事業名:チャイルドセーフ・ホットラインプロジェクト
実施期間:2007年11月から2008年2月
実施場所:カンボジア プノンペン
目的:路上で暮らしたり働いたりする子どもたち(ストリートチルドレン)を性的虐待・性的搾取、暴力、麻薬などさまざまな危険や権利侵害から保護すること
目標:子どもが暴力を受けていたり、危険にさらされていたりするような状況を見つけた場合、夜や週末でも24時間ホットラインに電話をかけられるようにする。連携体制を強める。

チャイルドセーフ・ホットラインとは
ChildSafe012.jpg NGOのフレンズ・インターナショナルは、日々、危険にさらされているストリートチルドレンを様々な種類の暴力(性的・身体的・精神的暴力、麻薬に関するもの)から守り、子どもの権利を実現するためにチャイルドセーフ・ネットワークプログラムを実施しています。
 チャイルドセーフ・ホットラインプロジェクトは、暴力や危険にさらされている状態にいる子ども自身や、そうした子どもを見つけた人が電話をかけて支援を求められるようにするものです。そして、電話を受けたホットラインのスタッフは、助けを必要としている子どもの場所へ専門のサポートチームを派遣します。
 危険な状態にある子どもたちをさまざまな機関に連れていくことができる昼間と違い、夜間は対応してくれない機関が多いので、より専門的なスタッフが必要になります。
hotline2.jpg 2007年7月に始まったホットライン事業は、10月まで平日の昼間しか運営されていませんでした。これを24時間体制にし、夜間や土日も緊急事態にある子どもを保護することができるようにしたいということで、シーライツは増えた時間帯に対応するスタッフと専門家の人件費を支援しました。
 2007年11月から2008年2月までのシーライツの支援期間中、ホットラインには、夜間と週末に108件の電話のアクセスがありました(通話時間は合計約162時間)。ストリートチルドレンに対する暴力などの性質上、6割近くのケースがこの時間帯に起こりました。

対処されるケース
hotline1.jpg チャイルドセーフ・ホットラインで通報されたケースのほとんどは、ストリートに住む子ども達や若者が事故やケンカでケガをしたり、病気になったりして医療援助が必要な状態でした。また、妊娠をした女の子が安全に子どもを出産できるように、病院に連れて行く人を必要としている場合もありました。
 さらに2007年7月から2008年2月の間には、ホットラインに64件の移住(出稼ぎ)してきた子どもや若者のケースの通報がありました。これは「安全な移住」チームのメンバーが、プノンペンに着いたばかりで行き場所のない子ども達について通報をしたためです。新しく移住してきた子ども達は、到着した初めての夜に暴力の被害に遭う確率が高いのです。ネットワークの協力体制、つまり、ホットラインでの対処とフレンズの「安全な移住」チームの専門家達の協力体制によって、地方からプノンペンに出てきた子どもたちは、安全に家族のもとに返されるか、またはフレンズ・トレーニングセンターで職業訓練を受けるなど、市内の安全な場所に連れて行かれます。
 暴力に関するケースとしては、例えば、性的虐待に遭った子どもや人身売買や家庭内暴力の被害にあった子どものケースがあります。捨てられた子どもや迷い子のケースもあります。

ホットラインへのアクセスの増加
hotline3.jpg 8か月の間に、プノンペン・チャイルドセーフホットラインは合計で284件の電話相談を受けました。ホットラインサービスは主に口伝えで広まり、2007年の12月には最大の57通話にまで伸びました。
 フレンズ・インターナショナルは、今後、このサービスをシエムリアップやシアヌークビルにまで広げていく計画を立てています。
 私たちは、プノンペンだけでなく、観光客が多いそれらの地域でもホットラインによって子どもたちが守られることを願っています。チャイルドセーフ・ホットライン事業の支援にご興味のある方は、シーライツ東京事務所までぜひご連絡ください。
(翻訳協力:中島利恵子)

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。