報告
2010年11月25日
11月17日に毎日エデュケーションのご厚意により、当会の代表理事・甲斐田万智子によるグローバルキャリアセミナー「アジアの子どもに出会って30年~子どもが笑顔で暮らせる社会をつくりたい」をグローバルひろば(竹橋の毎日新聞社ビル)で開催していただきました。 参加費は、毎日エデュケーションからご寄付いただきました。
当日の様子は毎日エデュケーションのページへ
http://ameblo.jp/mainichi-education/day-20101126.html
甲斐田の高校生と大学院生のときの留学の経験、大学生のときのフィリピンの子どもたちとの出会いやボランティア活動が、その後のユニセフ協会の開発教育の仕事と現在の仕事に繋がっていること。インドでスラムの女性や働く子どもたちと出会って子どもが参加することの大切さを学んだこと、カンボジアの性産業で働かされる少女たちの笑顔に隠された苦しみ、そして、なぜ子どもの権利が大事だと思うかについてお話し、最後に私たちにできることを提案させていただきました。
みなさん、熱心に聞いてくださり、質問もたくさん出されました。その1つは、旅行会社の方からで、コードプロジェクト(子ども買春防止のための旅行・観光業界行動倫理規範)について詳しく教えてほしい、というものでした。ほかには、日本が子どもの権利条約を批准したのが遅かったのはどうしてか? 子どもの権利条約や伝統的儀式に反対することは西欧の価値観の押し付けになっていないのか?というような質問が出されました。
感想文には自分も行動を起こしていきたいというような大変勇気づけられるメッセージが多く寄せられました。以下はその一部です。
◆参加者からの感想
●甲斐田さんのお話は、大学の時の特別授業(夏の短期)で一度聞きました。分かっているようで、わからなかった世界の子どもたちについて、学生といろいろ話して考えました。いつも一歩踏み出したいと思っていても、なかなか小さなこと(NGO会員になる、物品購入など)しかできませんでした。でも、1人1人が発信者になれる時、私も発信者になろうと思います。
●インド・カンボジアなどの子どもに対する性的搾取に日本人が加害者として加わっていること、また一見気付かないような児童労働者・ストリートチルドレンから、物を買う、何かをしてあげる、ということが子どもの労働を助長していることを知ることができただけでも、次につなげる大きな一歩だと感じました。
●カンボジアに行った時、物売りや物乞いをしている子どもがいて、もちろん買わなかったし、お金もあげなかったですが、心が痛みました。しかし、今日のセミナーを聞いて、間違っていないし、与えてしまったら、悪循環となることを改めて考えさせられました。
●法的な視点から問題等を考えながらお話を伺っていたのですが、日本人は”権利”を否定的に考えがちだという点にすごく共感しました。パワーポイントで紹介された子どもたちが生き生きと権利を行使している姿を見て、権利主張には、公権力の後ろ盾をまって、法整備も必要・・・等、考えてしまう自分に気付かされ、もっと「子どもが権利を正当に主張できる世界」というものは、ほんの少しのきっかけや働きかけでできるものなのかもしれないと思いました。
◆お話の内容
①高校生のときの留学体験
②援助ではなくエンパワーメントを~フィリピンの子どもたちとの出会い
③日本ユニセフ協会で開発教育にかかわって
④イギリス留学~大学院での経験と学び
⑤子ども主体で児童労働に取り組む~インドの子どもたちとの出会い
⑥帰国してシーライツへ~子育てとNGOの両立
⑦カンボジアの子どもと日本の子ども~シーライツの活動
⑧子どもを守るために私たちにできること~国際協力をめざす人へ
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