報告
2024年05月2日
こんにちは! C-Rightsインターンの川島杏心です。今回は、1月27日に甲斐田万智子 代表理事が鹿児島市こども未来応援条例施行記念イベントで行った基調講演について報告します。この日、鹿児島市長は、「こどもまんなか応援サポーター」就任宣言をされました。
日時⇒2024年1月27日
場所⇒鹿児島市国際交流センター
基調講演 「こども基本法によって私たちはどう変わることが求められているのか~子どもの権利をまもるために~」、事例報告、意見交換
〈講演内容〉
・C-Rightsでは、子どもが「私にはこういう権利がある」と自分の権利を知り、エンパワーされ、主張できるようになること、そして、大人も子どもの権利を知って、どうやって子どもの権利を保障していけるかということを知り、そして社会全体が子どもの権利を守ろうと意識をもつようになることを目指しています。
☆子どもの権利・4原則☆
差別の禁止/子どもの最善の利益/生存・発達の権利/子どもの意見尊重
☆子どもの権利・4本柱☆
生きる/育つ/守られる/参加する
・上記の国連子どもの権利条約の4つの原則と柱に基づいて、昨年4月から施行された「こども基本法」に盛り込まれました。権利を知ると子どもはわがままになると考える人もいますが、これは誤解で、子どもは自分の権利を尊重してもらえることで、他の子どもの権利も大切に考えることができるようになります。
・「こども基本法」には、子どもの意見表明権が明記されています。子どもの声を聴くこと、子どもが社会に参加する機会を提供することもこども基本法に定められました。何をするにも、子どもを支援の「対象者」とするのではなくて、「1人の人間」として接することが大切です。
・また、子どもは、社会の担い手として、受け身の存在ではなく、社会をより良くしていくことができる主体者として、参加の権利を確保される必要があります。こども基本法にも、鹿児島市の条例にも「学校」についての規定が明記されていませんが、条例では、第6条「育ち学ぶ施設」に学校が存在します。先生にとって、子どもは「指導」の対象でしたが、子どもを一人の人間として接し、学びを支援する存在になってほしいと思います。そのためにもこども基本法、鹿児島市の条例を使って、教職員への研修を是非、はたらきかけて欲しいと思います。
甲斐田代表理事より事例報告について
私のお話のあと3つグループから事例報告がありました。
最初は、子どもの意見を聴きながら、まちづくりを進める八幡子どもプロジェクトチーム。
2番目は、男女別の制服がLGBTQの子どもを配慮していないことを問題にしたり、自分の学校にプライドをもてるかという視点から制服を見直し、私服登校が可能な日を実現した鴨池中学校。
3番目は、子どもを1人の人として接するこども園錦ケ丘。ここは0歳児からサークルタイムを取り入れ、性教育も行っています。
〈甲斐田より一言〉
実践報告は、いずれも子ども主体を大切にしているグループで素晴らしかったです。
特にこども園錦ケ丘は、数年前に園児が食べたいときに食べるという保育に変え、子どもの意思を尊重する保育で感動しました。
そのあと、参加者同士3,4人でディスカッションをしたあとに会場参加者から質問に答えたのですが、会場は赤ちゃんづれのお父さんお母さんも参加するなか満席で、熱気があふれていました。
主催者の方々からは時間が足りなかったので、また鹿児島に来ていただく機会をつくりたいとおっしゃっていただきました。私もぜひまた来たいです。鹿児島市のみなさん、ありがとうございました。
〈インターン川島より一言〉
今回の講演で、「こども基本法」と「子どもの権利」の重要性を強く感じていただけたのではないでしょうか。子どもの声を聴くこと、共に考えることで、子どもへの接し方が、1人の人間として接することへと変化すると思います。感想にもありますように、まだまだ多くの人が「子どもの権利」の理解や認知が少ないので、これらC-Rightsでの講演やワークショップを通して、1人でも多くの人に「子どもの権利」を知っていただけるように頑張ります。
〈参加者感想〉
・一人でも多くの大人が、条例の中身を理解する必要性を強く感じた。
・子ども基本法の子供への周知・説明の必要性が理解できた。性的マイノリティー、LGBTQのようにこれまでも長い年月かかって変わったものがあるが、これから何十年ではなく、できるだけ早急に大人が子どもの権利を理解し、権利の実現を図るようにしていく事が大事だ!
・日本の子供が置かれている状況をよく見ておられること。学校のおかしさをしっかりと伝えて下さったこと。市長に聞いて欲しかったです。
・こども基本法が施行されるに至った経緯に、子供の意見も取り入れられ…学びになりました。良い解釈でこの法律が使われていってほしい。
・「こどもは今の社会を変えられる存在」「こどもの参加する権利保障」など、ひとつひとつの主張には全て共感いたしました。ただ、子供の権利保障が進んでいる外国と比べて、社会全体として日本が不幸せな国とはどうしても思えず、そのあたりが府に落ちないままもやもやしました。「こどもの幸せ」という意味では、部分最適なのでしょうが、社会としての全体最適につながるのかという点の説得力ある話が聞きたかったです。(これまでの教育が、礼儀・気配りのある日本社会の形式に貢献している面もあるのでは)
・こども基本法が施行されるに至った経緯に、子供の意見も取り入れられ…学びになりました。良い解釈でこの法律が使われていってほしい。
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