お知らせ
2020年02月6日
シーライツ・インターンの北村です。
今回は、2019年12月14日に文京学院大学(東京)にて行われた「知ってほしい一人ひとりの子どもの声~マイノリティの子どもたちのリアル」(ソーシャルジャスティス基金)のイベントの報告をいたします。当日は約30名の方が参加していました。
シーライツは2019年にソーシャルジャスティス基金より助成金をいただきました。その活動報告もかねたイベントです。
まず、3人のゲストスピーカーの方が、それぞれのマイノリティの子どもたちの現状をお話ししてくださり、その後、それぞれのグループが、子どもの声を聴いて思ったことをもとに話し合い、最後にほかのグループと共有を行うという流れです。
1人目のスピーカーは、LGBTの方が安心して過ごせる場所を提供しているにじーず代表の遠藤まめたさんです。ニュースなどで、「子どもは悩みがあったとき、信頼できる大人に話しましょう」といわれている。しかし、実際はほとんどなく、LGBTの子ども・若者は、友達やクラスメイトに自分の性の違いについて相談する。そのため、大人は、自分がLGBTについて知らないことを知っている状態に変えるor 知ろうとする姿勢を子どもにみせることが、必要不可欠であるとおっしゃっていました。
2人目のスピーカーは、何らかの事情で学校に行けない子どもが教育を受ける権利を行使できる場所を提供している東京シューレにお勤めの彦田来留未さんです。「日本では、子どもの権利条約の教育を受ける権利を行使して通う場所は、学校です。しかしながら、学校が通いづらい場所になっている。そうした場所(学校)に依然として子どもたちを復帰させようとすることはおかしい。フリースクールといった別の手段も、学校、言い換えれば公教育と同じ位置づけにしなければならない」と述べていました。
最後のスピーカーは、シーライツ代表の甲斐田万智子です。にじーずと一緒に実施したワークショップで、子どもの多様性の現状や、子どもが子どもの権利を知ることを求めていること、大人が子どもの意見を否定せず、聴こうとしないというたくさんの声を紹介しました。また、日本が子どもの権利条約の理想と逆行し続けていることも再度説明していました。
3人のスピーカーやそのあとの話し合いで共通していたことは、知らないことの恐ろしさです。他人が発言していることが、自分や世間で長らく当たり前とされていたことと違うからといってすぐ、否定したり、非難したりしてはいけない。対話を通して、その人の主張は何であるかを知ろうとする姿勢が、自分の誤解を知ったり、自分と違う意見をもったりする人を避けないようになる。遠ざけるのではなく、歩み寄る。そのように心がける人が増えることで、社会に声をあげた人が受け入れられることにつながると考えました。
※今回は、写真は撮影をしておりませんでしたので、掲載はございません。
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