【報告】「NOヘイト Yes共生」動画プロジェクト学習会を開催しました!

みなさん、こんにちは!
今年度シーライツでは、「No ヘイト/Yes 共生~みんなでつくる海外ルーツ&アライ動画プロジェクト」(公益財団パブリックリソース財団 Y’sファンド D&I基金助成事業)に取り組んでいます。
このプロジェクトは、シーライツのユース(高校生・大学生)メンバーが中心となって実施しています。普段は週1回オンラインミーティングを行っていますが、月に1回シーライツの事務所でもミーティングを行っています。
10月17日(土)は、佐藤信行さんを講師にお迎えし、学習会を開催しました。
今回のテーマは、「外国ルーツの子どもたちと人種差別撤廃条約 ー差別禁止法がなぜ必要か」。
海外ルーツの子どもたちが置かれている状況や、日本社会に広がる排外的な言説、そして差別をなくすために必要な法制度について、ユースメンバーとともに学び、考える時間となりました。
海外ルーツの子どもたちが直面する現実
学習会では、外国にルーツを持つ人々の多様な背景や暮らし、教育を受ける権利、在留資格によって生じる課題、ヘイトスピーチや差別の問題などについて、具体的な事例を交えながらお話しいただきました。
特に印象的だったのは、子ども自身は日本で生まれ育ち、学校に通っていても、保護者の在留資格などによって、学び続けることや家族と一緒に暮らすことが脅かされる場合があるということです。
また、日本語を学ぶ機会だけでなく、家庭で受け継がれてきた言葉や文化を大切にする「継承語教育」の重要性についても学びました。
子どもたちが自分のルーツに誇りを持ち、安心して自分らしく成長できる環境をつくることは、子どもの権利を保障するうえで欠かせません。
なぜ「差別禁止法」が必要なのか
佐藤さんからは、人種差別撤廃条約や国際人権基準を踏まえ、日本における差別禁止法や人権救済制度の必要性についてもお話しいただきました。
差別をなくすためには、一人ひとりの意識を変えるだけではなく、差別を許さず、被害を受けた人の権利を守るための法律や制度を整えることが重要です。
参加者との意見交換では、外国人に対する不安や偏見とどう向き合うか、学校や地域で多文化共生をどのように進めていくかなど、さまざまな問いが交わされました。
「NOヘイト」から「Yes共生」へ
今回の学習会を通じて、改めて大切だと感じたのは、海外ルーツの子どもたちを「支援される存在」としてだけでなく、自らの権利を持ち、社会をともにつくっていく主体として尊重することです。
「NOヘイト Yes共生」動画プロジェクトでは、海外ルーツの子ども・若者やアライ(仲間)たちの声を集め、差別のない、誰もが自分らしく生きられる社会に向けたメッセージを発信していきます。
差別に「NO」を伝えるとともに、多様な文化や言葉、背景を持つ人々がともに生きる社会に「YES」を。
シーライツは、子ども・ユースの声を大切にしながら、今後もこのプロジェクトを進めていきます。
【応募締め切り延長!10月31日(土)まで】あなたのメッセージを1分動画にして送ってください!!「No ヘイト/Yes 共生~みんなでつくる海外ルーツ&アライ動画プロジェクト」 – C-Rights
学習会に参加したユースメンバーの感想
〇 今回の勉強会を通して、外国ルーツの子どもたちが直面する教育や在留制度などの課題について理解を深めることができた。現状を知ることにとどまらず、そこからどのような社会を目指すべきかを考えることも重要だと感じた。
特に印象に残ったのは、継承語とアイデンティティ、自尊心とのつながりである。外国ルーツの子どもたちにとって、継承語を学ぶことは、自分のルーツを理解し、自分自身を肯定することにもつながると思う。また、差別について考える際には、表面的な違いだけでなく、社会が国籍や出身などの違いにどのような意味を与え、それが人々の権利や社会への帰属意識にどう影響しているのかを考える必要があると感じた。一つの言語や文化に合わせることを求めるのではなく、一人ひとりの背景が尊重され、誰もが自分らしく社会に参加できる環境をつくることが、多文化共生の実現につながると考える。
また振り返りで、他のメンバーの感想を聞き、改めてメディアの持つ力の大きさを感じた。メディアには、離れた場所で起きている出来事や、私たちが知らない情報を広く伝える力がある。一方で、人々の考え方やイメージを一定の方向に導いてしまう力もあると考える。例えば、クルド人をめぐる問題でも、否定的な情報やイメージが繰り返し伝えられることで、社会全体に偏見が広がってしまう可能性がある。一面的な情報によって人々の認識がつくられていくことの危うさについて、改めて考えさせられた。(Y・Sさん、大学3年生)
〇 この分野について学び始めたのは今年からで、まだ知識が十分ではなかったが、今回の学習会では移民政策全体について幅広く知ることができた。質問の時間も十分にあり、さまざまなことを質問できた一方で、さらに多くの疑問が生まれた。調べたいことがたくさんあり、どこから手をつけようか迷うほどである。大学のゼミで学んでいることとも重なるため、今回の学びを今後の研究にも生かしていきたい。(T・Aさん、大学3年生)
〇 これまで、在留資格の問題によって日本で暮らせなくなる人がいることや、親子が離ればなれになってしまうことは漠然と知っていた。しかし、難民申請の制度や経済的な負担、具体的な数字などを通じて、その深刻な現状を改めて理解することができた。
「不法滞在」という言葉だけを聞くと、法律に違反している人が悪いと考えてしまいがちである。しかし、その背景には日本の制度や、私たちの社会がつくり出している価値観もある。そうした問題の構造についても知ることができた。今後は自分たちが発信する側として、学んだ事実を伝えていきたい。(Y・Yさん、大学2年生)
〇 学習会後に改めて資料を読み返すと、さらに多くの疑問が生まれた。特に、日本社会に残る単一民族国家という意識やステレオタイプが、外国ルーツの人々に対する制度上の区別や差別にどのようにつながっているのか、もっと深く考えたいと感じた。
また、学習会の後にテレビで、在留資格のない外国人が逮捕される場面を取り上げた番組を見た。その人の置かれた背景が十分に伝えられないまま、外国人が一方的に悪いという印象を与えるような報道に違和感を覚えた。今回の学習会で、外国ルーツの人々が直面するさまざまな事情や制度的な問題を知ったからこそ、メディアの伝え方についても考えるようになった。こうした背景を、もっと多くの人に知ってほしいと思う。(M・Hさん、大学3年生)
講師を務めてくださった佐藤信行さん、ありがとうございました。
☆シーライツでは、全ての事業において、全ての関係者(子ども・ユース・おとな)の人権が守られ、「子ども・若者のセーフガーディング」に基づいて活動を実施しています。☆
国際子ども権利センター 子どもと若者のセーフガーディング指針 2025 05 30.docx
20251106-セーフガーディング行動規範誓約書.pdf
